登記・測量の基礎知識 No.14
前のページへ移動 次のページへ移動

地役権とは

Question

私の隣人は、私の土地の一部を通路として利用しています。その隣人は親戚なので、特に契約などすることなく無償で使わせていたのですが、先日「使用料を払うので地役権を設定して欲しい」と言われました。
この「地役権」とはどういうものなのでしょうか?
また、隣人は何でこのようなことを言い出したのでしょうか?

Answer

地役権(ちえきけん)とは、自分の土地にとって都合がいいように他人の土地を利用することができる権利のことです。

地役権の目的は、他人の土地から水を引いたり、他人の土地に高い建物を建てさせないようにするなど、様々な目的で設定することができますが、特に他人の土地を通行することを目的とした地役権のことを通行地役権(つうこうちえきけん)と言います。

地役権の設定は、利用する側の土地の所有者と利用される側の土地の所有者との間で「地役権設定契約」を結ぶのが一般的です。この場合、利用によって利益を得る側の土地を要役地(ようえきち)と呼び、利用される側の土地は承役地(しょうえきち)と呼びます。

参考図:地役権

地役権設定契約を結ぶと、要役地(A地)の所有者がその土地を売買しても、新しいA地の所有者は通路部分の通行地役権を継承できます。

しかし、承役地(B地)の所有者がその土地を売却してしまうと、A地の所有者は新しいB地の所有者に地役権の主張ができなくなってしまいます。

このようなことにならないようにするためには、地役権の設定登記をしておく必要があります。

地役権を登記することで、承役地(B地)の所有者が第三者に土地を売却した場合であってもA地の所有者は新しいB地の所有者に地役権を主張できるようになります。

さて、設問の件ですが、お隣さんは、あなたが土地を第三者に売却しても通路部分を利用できるようにするために、地役権の設定登記をしたいと考えているのではないでしょうか。

ちなみに、地役権設定登記は司法書士の業務ですが、実際には土地家屋調査士の協力が必要になります。土地家屋調査士は法務局等の資料調査や現地調査を実施し、必要に応じて境界確定測量、分筆登記、あるいは地役権図面を作成します。

その他「地役権」についてお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におたずねください。

ご相談はこちらへどうぞ

あなたの土地・建物の存する地域をお選びください。
当センターに相談窓口として登録されている土地家屋調査士事務所の中から、その地域に事務所を有する 土地家屋調査士事務所 をご紹介します。

あなたの街の土地家屋調査士 あなたの街の土地家屋調査士

北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県
まだ相談窓口(土地家屋調査士事務所)が登録されていない地域もございます。もしご指定の地域に登録がない場合には、近隣の相談窓口にご相談ください。

目 次