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2006/05/01(月)
「土地建物情報宅急便」45
■■■■■■ 登記の畠中「土地建物情報宅急便」45 ■■■■■
土地家屋調査士・行政書士の畠中(はたけなか)です。
いつもご愛読ありがとうございます。
連休になりました。いかがお過ごしでしょうか?
建物の販売・営業関係の方は今が稼ぎ時ですね。
さて私はと言うと、一昨日・昨日と広島へ研修会に行って参りました。
「ADR特別研修」と言って、ADR(裁判外紛争解決手続き)によって
境界紛争を解決する制度の研修です。
朝から晩まで、講師の弁護士さんから法律漬けにされてしまい、いささか
頭がフラフラ状態という感じです。
以前ご紹介した「筆界特定制度」も同じ境界紛争解決制度ですが、こちら
は法務局主導で、筆界だけを扱いますが、ADRは筆界を含めた所有権界
を扱います。筆界と所有権界は下記のサイトをご覧ください。
http://www.geocities.jp/woodychosashi/sub1-1.htm
私がこれに力を入れる原因は、昨年関わった境界紛争裁判のことがあるか
らです。
依頼者が「境界線(今回のQ&Aの位置指定道路です)よりはみ出して、
ブロック塀を作っているので、撤去しなさい」と周囲の地権者全員(3
名)に訴えられた裁判です。
一審判決では境界線は原告側(相手方)の主張の通りになりましたが、所
有権の範囲はブロック塀まで認めて被告側(こちら側)の主張の通りとな
って、結果的に現状維持のまま、何ら変わらないという判決でした。
結局原告側は控訴して、いつまで続くかわからない泥沼に入ってしまった
という状況です。
私が感じたのは、裁判官も弁護士(特に原告側)も境界について何もわか
らないまま裁判をしている、ということです。
誰が作成したのかわからない、求積のでたらめな、しかも登記と違う分譲
測量図(分筆測量図は無し)を根拠に訴える原告側、それを支持した裁判
所にはいささかあきれ果ててしまいました。これが境界裁判の現実となれ
ば、本当に恐ろしい思いです。
裁判の前にもう少し測量図、境界について熟知している専門家(土地家屋
調査士)を交えて、話し合いができなかったのかとても残念な思いです。
このADRで多少でも、上記のような裁判が起こらないよう未然に防止で
きればいいと考えています。もちろんその前に境界紛争トラブルが起きな
い測量、境界標の設置、測量図の説明と境界の専門家としての責任は重大
であることは申すまでもありません。
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★★★登記・測量のQ&A★★★2006年5月1日
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◆登記・測量のQ&A 第013号
「位置指定道路って何?」
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前回は「法定外公共物」についてお話ししました。
法定外公共物とは道路法や河川法といった法律の適用を受けないで、里道
や水路に使用されている土地のことで、使われなくなった旧里道や旧水路
は、払い下げを受けることもできることなどをお話ししました。
今回は「位置指定道路」についてお話ししましょう。
問い
────────────────────────────────
中古住宅を購入する予定なのですが、不動産屋さんから、市道からその住
宅までの道路は位置指定道路で、所有権は共有と聞きました。
この「位置指定道路」とはどのようなものなのでしょうか?
答え
────────────────────────────────
建築物を建てるための敷地は、法律(建築基準法)で定められた道路に2
m以上接しなければならない事になっています。ここで言う「道路」とは、
国道や県道、市道といった公道だけでなく、私道であっても認められるも
のがあります。
例えば、土地を分割してそれぞれの土地に建築物を建てる場合には、新た
に私道を設けて、特定行政庁(都道府県や市町村)から道路の位置指定を
受けなければなりません。この指定を受けた私道が「位置指定道路(いち
していどうろ)」です。
参考図:
なお、道路の位置指定を受けることができる土地は、「開発許可制度の適
用を受けないものに限る」とされています。開発許可制度の適用を受ける
かどうかの基準は、その土地が属する都市計画の区域や敷地面積等によっ
て違いがありますので、ご注意ください。
ところで、この位置指定道路は私道ですので誰かの所有物です。一般には
お隣さん同士で、自分の土地を少しずつ出し合って、お互いに道路として
使うケースが多いようです。
ですから、中古住宅を購入する際には、前面道路が位置指定道路かどう
か、その所有権はどうなっているのか等に注意が必要です。
今回はここまでです。
次回は「住居表示って何?」を配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
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