筆界、所有権界はどんな違いがあるのか

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新不動産登記法Q&A No.13
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筆界、所有権界の違いとは

Question

「筆界」は公法上の境界を指すとのことですが、
「公法上の境界」(筆界)と「私法上の境界」(所有権界)は、どんな違いがあるのでしょうか?

Answer (平成17年11月6日現在の情報です)

筆界とは、

  1. 表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む)との間において
  2. 当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた
  3. 二以上の点及びこれらを結ぶ直線である

と定義づけられています。(不動産登記法123条1号)

言い換えると、

1.について

相互に隣接する土地同士の境を特定するものです。
筆界特定の対象となる土地が、隣接しておらず離れていることを想定していないことは当然ともいえます。
また、隣接する2つの土地のうち、少なくとも一方は表題登記があることを要件としていますが、他方は必ずしも表題登記があることを要件としておりません。

2.について

自然上の土地は本来、連続のない広がりであるところ、明治初期に人為的に区分されて、一個の土地の単位として「一筆」と呼ばれ、公法上の制度として地番が付せられました。

3.について

筆界は、筆界「線」ではなく、筆界「点」およびこれらの結線情報としたことに特徴があります。
筆界は直線から構成されることを前提としており、曲線は想定していません。
また、2つの土地が1点のみで隣接する場合は、筆界とはいえないことになります。

登記所は、地番を付すべき区域を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない(不動産登記法35条)。

とあるので、登記所に所属する国家公務員である登記官が、一筆の土地として、一区画ごとに付した地番と地番の境は、公法上の境界であり、上記の<筆界の定義>そのものであります。

よって、「筆界」とは、人為的に区分された一筆の土地と隣接する他の土地の境・区分を特定する、「公法上の境界」を指します。

これに対し、「私法上の境界」(所有権界)とは、
所有権に基づき、隣接地当事者間で合意された境界線です。
また、広い意味では所有権界のみならず、占有界、すなわち、所有権とは関係なく、占有の事実によって形成されている境界線を指す場合もあります。

前置きが長くなりましたが、

「公法上の境界」は、
「客観的に固有するもの」であり、「各筆の登記簿上の所有名義人の意思のみによって筆界を処分したり変更したりすることはできない」ものであります。

紛争の解決は、境界確定訴訟によって行われてきました。

「私法上の境界」は、
私的自治の原則に基づき、当事者が自由に決定し、処分できるものであり、隣接する土地所有者同士が話合いによって私法上の境界を変更することができます。

紛争の解決は、所有権の範囲を確認する所有権確認訴訟によって解決されます。
所有権界は、個人の権利義務の争いですから、裁判所によって解決されるべきものであり、所有権確認訴訟においては、処分権主義や弁論主義が適用され、和解により解決することもできます。

「公法上の境界」(筆界)と「私法上の境界」(所有権界)には、以上のような違いがあります。

参考図書:『Q&Aでわかる「筆界特定制度」』著:鈴木仁史(日本法令)

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